第14章 ここからが本番
「!…」
高尾の目がギラリと光った。
「っ…。」(厄介……あの…ホークアイ…でも…狭まった視野なら…。)
伊月が火神にパスを出した。その間に高尾が入ろうとした。でも……。
「このパスは、加速する。」
「!…」
ボールを思い切り叩き、火神にパスが渡った。
「!…」
高尾が目を見開いた。高尾だけじゃない、皆、目を見開いた。
火神はダンクを打とうとした。でもそのゴール下には緑間がいる。
「絶対に行かせん!!」
「うおおおおっ!!」
ダンクシュートが決まった。
「!?…」
ピーーッ!
「うおおっ!!」
「すげぇ!なんだ今の!」
歓声が会場内に響き渡った。
「っ…!」
火神が緑間を越した。
そう考えただけで、背中に電気が走ったような感覚に襲われた。
でも…。
「ガス欠寸前…。」
そう呟いた。
火神が黒子の肩を叩いた。
「…」
ホントに、試合をする度に思う。
「…」(テツ君についてきて、間違いじゃなかった。)
*
その頃……。
また別の体育館では……。
「あー、だりぃ~、動きたくねぇ……つかもう歳かな~。」
真っ暗な体育館で、ステージに仰向けで寝転んだまま、人差し指でボールを回している人がいた。
「ガッツ出ねぇ……パン食いてぇ…。」
「あっ!やっぱここにいたぁ!」
「あ?」
女の子の声が聞こえ、ボールが落ちた。
「また仮病で試合休んだの?」
「どうせ勝つよ。めんどくせぇ…。」
「んもうっ!あと今、テツ君とこもミドリンと試合してるらしいね。」
「へ~は~。」
「ま、でもテツ君かな!勝つのは!」