第29章 Rey23
大和さんが背後に回ったと思ったら後ろから腰に腕を回された。
これじゃ動けない上に大和さんお酒くさい。
もしかして大和さん…酔っ払ってる……?
「零かわいいー」
『ちょっと大和さん!?』
「目の前でイチャつくの辞めてもらえませんか」
『!?い、イチャついてないから』
「無自覚なんですか?タチが悪いですね」
無自覚って何の話だろ…。
お酒のせいか大和さんが凄く熱くて私も熱い。
『大和さん熱い』
「お兄さんも熱い」
『いや、そうじゃなくて』
「いい加減に離れたらどうですか」
「一織ーどうs…あっ」
こっちに気付いた陸に見られた。
これは嫌な予感しかしない。
『大和さん離れて』
「やーだ」
「オイおっさんなにやってんだ」
「Reyがヤマさんに抱っこされてんだけど!!!」
『ちょ、あああああ!?』
なにこれ羞恥プレイ!?
みんながこっち見てる…うぅ……穴があるなら入りたい。
その後、私と大和さんは社長と万理さんによって引き離されてその場は落ち着いた。
もちろん帰りのワゴンは離れ離れに座ることになったけど。
「どうして大和さんはあんなことしたのかな」
『さぁ…』
「二階堂さんは反省してください」
「……」
酔いが覚めた大和さんは私に目を合わせることはなかった。