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アイナナ夢

第7章 4,5(大和視点)




「いいこと教えてやろうか?」
『ぇ?』
「お前さん、幽霊騒ぎの原因になってるぞ」
『い、意味が…』

主にナギ。
巻き込まれたのは俺。

「俺らは謹慎中で歌もダンスもダメだろ?なのに奥から誰かの声がするって見て来いってお兄さんにご指名」
『声って…』
「うん。声」
『えっと…』

音無が俺の顔を見ずにもじもじしている。
そう言えばほとんど喋ったことなかったな。
聞き出すにはカマかけた方がいいか。

「いい声だな」
『……』
「音無」

俺は熱っぽく音無の名前を呼んでみる。
もちろん演技だけどな。

『は、はい!?』
「動揺しすぎでしょうよ。そんなんじゃ隠し事できないでしょ」
『か、隠し事なんて…してません…』

一歩ずつ近づくと音無が後退りして行く。
なんか俺が追い詰めてるみたい。
……まぁ、そうなんだけど。

「それじゃあさっきの声は?」
『……』
「お兄さんに教えて?」
『ち、近いですよ』
「勘違いしたままでいい?」
『か、勘違い…?』
「実は音無が男の子だったとか」
『ぶっ!?』

我ながら酷い冗談だ。
男に見えなくもないけど素振りが女の子だから。

「そんな訳ないのは知ってるけど」
『どうしてそんなこと言えるんですか…ろくに喋ったこともないじゃないですか』
「俺が怖いって思っただろ?」
『…少し』

俺は笑顔を作って見せた。
作りものでも警戒を解かせるには必要だろ。

「仮にお前さんが男だったら抵抗もするかなってな」
『それはどうでしょう…』
「それで、お前さんは何をしてたんだ?」
『聞くまで引かない気ですか』

ここまで言わないと逆に気になるのがサガってやつ?
ふふんと俺は笑ってみせる。

「誰にも言えないようなこと?」
『そんなところ…です』

秘密の一つや二つは誰にでもある。
もちろん…俺にも。
さて、ここから攻めますか。

「MONSTER GENERATiON」
『う…やっぱり聴いてたんじゃないですか』
「お」
『…ぁ』

これは手応えあったな。
でもさっき聞こえた声…男、だよな?
隠してる理由はこれか…?

「やっぱりさっきの歌はお前さんだったのか。コソコソする必要ないぞ?」
『どうしてですか…』
「ここで歌ってるってことはスカウトされたってことなんだろ?」
『そうなんですけど…いろいろ複雑でして…』
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