第4章 同居…
和のふっくらとした手が、少しだけ上向いた俺の頬を包み込んだ。
そして鼻先にフワッと息がかかったと思うと、ゆっくり落ちて来た唇が俺の唇に重なった。
唇の感触を楽しむように軽く互いの唇を触れさせる。
たったそれだけのことなのに、頭の芯まで痺れてくるのは、やっぱり和だから…だろうか…
不意に顎を掴まれ、誘うように開いた唇の隙間から、和の舌先が入り込んでくる。
俺はそうされるのを待っていたかのように、和の舌先に自分の舌先を絡めた。
同じDNAを持った唾液が混じり合い、やがてそれは顎を伝った。
ほんのり苦く感じるのは、ビールのせいだよね?
「ふっ…ん、ん…っ…」
呼吸さえままならないのに、唇の端から零れる吐息が止められなくて、俺は和の胸を軽く叩いた。
「ベッド…、行こ?」
唇が離れたタイミングを見計らって、和をベッドに誘う。
でも和は俺の両肩をポンと押すと、ソファーの上に押し倒した。
「ベッドまで行く時間が勿体無い」
そう言ってニヤリと笑うと、着ていたシャツを脱ぎ捨て、俺の首筋にかぶり付いた。
「あっ…、もう…」
ホント、面倒くさがりなんだから…
でも俺も…
例え僅かな時間だって無駄にしたくはない。
和と愛し合いたい…