第4章 同居…
ビールの缶を軽く合わせて、二人同時に喉に流し込む。
一気に煽ったせいか、それとも暑さのせいか…
冷たいビールが喉元を過ぎる感覚に、自然と身体が縮む。
「ぷはぁ~、うめぇ!」
和が満足げに口元を手で拭う。
「ホント、美味いね。…っつかさぁ、ソレおっさん臭いから…」
腰に手ぇ当てちゃってさ…
風呂上がりの牛乳じゃないんだから。
「そう? おっさん臭い? まあ、仕方ないんじゃねぇの? お前よりは俺、”おっさん”だからさ」
あ~あ、認めちゃってるよ…
って、そんな”おっさん臭い”男に、心底惚れちゃってんのは、紛れもない”俺”なんだけどね?
現に今だって、和の手が俺の手に重ねられただけで、心臓バクバクしちゃってるし…
「もっとこっち来いよ」
和に手を引っ張られて、俺達の間に合った5㎝の隙間が埋まる。
腰に腕を回され、バランスを崩した俺は、和の腕の中にスッポリ納められてしまう。
「和…?」
グンと距離が縮まって、和が悪戯っ子のような顔をして腕の中の俺を見下ろす。
「目ぇ、閉じろよな…」
俺は言われるまま、そっと瞼を閉じる。
そして、和が入って来易いように、唇を薄く開いた。
睫毛、震えてんのバレバレだよな…