第2章 仲間
「……あの、手入れをしても?」
?「嫌です」
軽傷だろうからそう長く近くにいるわけでもないのにピンクの人は私のことを嫌っているようです。
さっき江雪さんのことを兄様って呼んでたから兄弟なのだろうか……
似てないような似ているような?
「では……名前を」
?「嫌です」
歩み寄ろうとしても、これはダメそうだ。
もう無理矢理にでもやってやる!
「それでは手入れを、しますから!動かないでくださいね!」
?「何を勝手に触ってるんですかっ……!」
「怪我してたら痛いんですから、大人しく手入れをさせてくれたらいいんですよ」
腕を掴んでそのまま霊力を流し込むがやはりくらっとする。
資材を使ってと直接では全然違うのだろうか。
でも、資材がないのだから仕方ない。
「な、治りました……」
?「まったく余計なことを……」
「余計でもなんでも私があなたを治したかったんです。では、次にいきますね」
宗三「宗三左文字ですよ。お礼は……言いませんから」
「名を告げるのは信頼の証と受けとることにしますよ宗三さん。それでは江雪さん失礼しますね」
江雪「ええ。ご無理をなさらないように」
二人に手を振ってから次に向かうことにした。
素直じゃない人だけど宗三さんもいい人のようだ。
仲良くできそう。たぶん。