第2章 仲間
「今日はもう休みます。このまま働いても長くはもちませんから」
二人にお疲れ様を言えないのは申し訳ないが無理をして彼らに何か影響が出ても困るからね。
この本丸で彼らがどうやって人の姿を維持できたかわからないけど本来なら審神者がいてこそ、今のような姿でいられるようなので霊力が尽きようものなら彼らは刀の姿になってしまうのだろう。
例にあげるなら鯰尾が刀の姿でいたわけだし。
長谷部「わかりました。では、お休みなさい」
「うん。おやすみ……」
そう言っても長谷部さんは動こうともしない。
そしてまた、ガン見……不愉快になる視線ではないが、さすがに暖かい眼差しで見守られていると眠るどころではない。
落ち着けるわけがないんだ。
「あ、あの私のことは気にせずに長谷部さんも休んでください」
長谷部「それでは、主が眠ったあとに」
「……休んでください。私が気になります」
そこで長谷部さんは離れることを良しとはせずに動きもしなかった。
私なんかを見て楽しいのかな?
長谷部「主、もっと俺たちを頼ってくださっていいのですよ?」
「清光になんか言われた?」
長谷部「もしかすると刀剣の誰かが主に危害を加える可能性があると」
間違ってはない。
なにも知らない刀剣からすれば私は邪魔な存在なんだ。
一人で寝かされてたら寝込みに刀でぐさりと刺されて、そのまま天に召されてしまうことだろう。
「甘えることが正しいとは思ってないの。私は霊力が高いだけの無力だし攻撃なんてされたらすぐ死ぬ存在だけど、自力でなんとかしたい、って思うの」
そうだ。
主と認めてくれたからといって甘えてはいけない。
前任がしなかったことを私がしただけで信じられるとは私だって思ってないもの。