第47章 怒られた
燭台切「うん、わかったよ…もしかしてお邪魔だった?」
「そんなことないですよ。少し話していただけなので…」
人に聞かれてもいい内容ではないけどね。
燭台切「ふぅん…どんな話?」
なぜ聞く。
「なんと言いますか…デリケートなお話、かな」
燭台切「デリケートって…何か困ったことでもあるの?それなら僕も何か力になりたいんだけど」
「いやー…デリケート話でも燭台切さんにおいそれと話せる類のものでもないかと思ってみたり…」
明石「隠すようなことやないですよ。普通に以前の主の話してましたーっていえばいいですやろ」
「何言ってんだニート明石」
燭台切「前の…?それは…あの子のこと、だよね」
前の主と聞いたら例の前任の話ではあるがそこは前の前、燭台切さんなら伊達政宗のこととか思ったりしないのかな。
それはそれで気になる話ではあるけど。
燭台切さんの表情は暗いものになっている。
そりゃあいい噂を聞かない前任のことを聞いて笑顔でいる刀剣男士もいないだろう。
「ま、まあ私もあなた方の引き継ぎ審神者として気になっただけなので話したくないなら話さなくても大丈夫なのですよ」
明石があまりにもぽけーってしてるから被害が少なかったのかな、と思って聞いたけどこんな歩く18禁みたいな容姿の明石が被害を受けなかったわけが……
チラッと明石の方をみるといつの間にか寝っ転がっていた。
うーん……まあ、顔がいいから、ね。
明石「なんです?」
「何もないよ……ごめんね二人とも。胸糞悪いこと思い出させるようなこと聞いて」
燭台切「……なんで聞こうと思ったの」
「さっきも言ったように引き継ぎ審神者として……気になったの。本当は聞かない方がいいとは思ってるけど…前任の審神者はとてもひどいことをしていたと聞くし、そんな前任のことがあるのになんで私に優しくしてくれるのか、少し怖くて気になったの」
何度も思ってきたことだ。
何年も一緒にいたわけでもないのに、数週間、いや数日で私への警戒を解いた子もいるから気になったのだ。
普通なら、あり得ないことだから。