第47章 怒られた
「……宗三さんって、私のこと……どう思っているんですか?」
宗三「聞きたいんですか?」
「あ、やめときます……なんか言葉の刃で再起不能にされそうなので」
仲良くしたい、そう思っても片想いだとひたすら追っかけないといけないし下手したら本気で嫌われるので何とも難しい問題だ。
簡単な話、仲良くしようとはせず今のままの関係なら……
「……私、宗三さんと仲良くなりたいです。やっぱり諦められませんし」
宗三「……仲良くしたところで僕に何の得があるのですか?」
「甘やかします。可愛がりますし大事にします」
宗三「結構ですよ。あなたに可愛がられたいと思いません」
ツンツンしている感じではあるが、無視されないだけマシかな。
宗三さんは誰に対してもいつもこんな感じなのは観察していてわかっていることなので私にだけツンツンしているわけではないのだ。
小夜ちゃんとかお兄様の前ではデレデレな感じはするが……まあ、あの二人は例外だ。
そういえば……目的もなく歩いているが、宗三さんは私を置いていくようなことはせずずっと隣にいてくれるが、なぜだろう。
足元を見ながら歩くと私は普通に歩いているが宗三さんはどちらかと言えばゆっくりと歩いてくれている気がする。身長差もあり歩幅も違うはずなのに二人並んで歩くとなると……
宗三「……なにしているんですか」
「気にしにゃいでくだしゃい」
両手で顔を覆ってにやけてしまう顔を私は隠していた。
少し考えたらわかることだ。
この人はツンツンしているけど、優しいのだ。
偶然かもしれないけど宗三さんは歩幅を合わせてくれている。
私が歩く速度を緩めると宗三さんも同じようにし、少し早く歩くとそれでも隣に宗三さんはいてくれる。
……どうしよう。
嬉しくて変な顔していそう。