第42章 訪問
~数十分後~
「はぁぁぁ、なんで今日はそないにしつこいんじゃ……」
「行きたいからしつこく言ってるんですよ」
あーだ、こーだと戦っていたが互いに譲れないものがあるために引くこともできないでいた。
理由もなくダメダメ言われても困る……いや、ちょっと……ほんの少しむぅっとしてしまう。
だけど、こんなにお願いしても首をたてに振らないのは何かしら理由があるはずなので本当なら私が折れるべきなんだろうけど……
「……お願いします。どうしても気になるんです」
「私、気になります……ってかぁ?笑わせんな!」
「あの、先輩……少しくらい連れていってあげれば……」
「…………あ"ーったく!条件付きで上と話したる」
「あ、ありがとうございます!」
「話すってだけやからな。それであかんかったら諦めや」
諦め、と言われると返事はできなかった。
政府の人とならどちらかが折れるまでは言い合いを続けることはできるが政府の人よりも偉い人にダメと言われると従うしか……嫌だけど。
政府の人が左遷とかクビになったら困るし、そこはダメと言われたら諦めよう。
……本音は嫌だけど。
「(一応)わかりました。その際には………………諦め……られ、るかも」
「はっきり諦めるって言わなあかんやろ……ほんま諦め悪いとなー」
「前の本丸に何かあるんですか?」
「……そこは秘密です」
たいした用ではない……こともない。
ちゃんと理由はあるのだが行けるかもわからないのに政府の人に話しても話し損なことになっても嫌だから黙っておこう。
……行くことになっても言わないと思うけど。