第1章 始
加州「ここだよ。まずは俺が話をしてくるから主はここにいて?」
「う、うん」
折れかけの刀剣がいるという部屋の前に着くなり私は外で待機させられることに。
まあブラック本丸だからね。
審神者というより人間大嫌い殺してやる、なんて思っていそうな刀もいるわけだし入るなりざっくりやられそうだからここは清光に任せよう。
改めて周りを見てみると床は抜けているところはあるし襖は破れてたり血で汚れてたり……討ち入りでもあったのかと聞きたくなるような場所だ。
まずはだいたいの刀を癒してから掃除かな。
一人では厳しいから、心の傷が浅い人にお願いするしかないか。
加州「主、いいよ」
「あ……うん」
襖が開くとそこからひょこっと顔を覗かせたのは清光だった。
どうしよう緊張する。
深呼吸をしてから自分の頬を叩くとゆっくりとなかに入ってみればそこは他と比べたらきれいな場所で布団に寝かされているのは息も絶え絶えの青年だった。
そしてすぐ横には真っ白な人。
いや、所々赤いシミみたいなのが……。
「初めまして、本日よりここの審神者となりました。なつみと申します」
?「審神者なんて必要ない」
加州「ちょっと鶴丸さんっ!」
「いいよ清光。信じられないのも無理はないです。だから無理に信じなくてもいい……でも、せめて手入れだけはさせてください先にこのお兄さんを何とかしないと」
このまま放置なんてできないし重傷もいいとこだから手入れのやり方はアレしかないけど、傷だらけとはいえ王子様のようなこの人に、キスを……。
白雪姫の男女逆バージョンか。