第13章 Party Next
「ちょっと待ってください
それって私とホールさんが
ここから逃げるって事ですよね
私、残りますよ」
「ティナ、ダメです
ここは危険すぎます」
フィルに強く言われる
「今回の仕事は
ZI7イビル総指揮官を連れていく事です
イビルは貴方を狙っている
…心配なのです
だからティナはここから逃げてください」
フィルに強引に車に乗せられる
炎はこの階まで迫ってきている
早く車で脱出しないとホールさんまでも危ない
「おい!!!隠し通路見つけたぞ!!
こっから上の階に行けんぞ!!!」
オリヴァーが私たちに向かって叫ぶ
それに続いてフィルもエリオットも
そこへ向かう
このままでいいの?
このまま逃げていいの?
私はこんなに弱いの?
近くを通りかかったエリオットの腕を掴み
素早く車内へ連れ込む
そして、身を翻しながら
私は車外へ
一瞬にして、エリオットを運転席に座らせた
「えぇ!?ティナ!?」
振り向きもせず
オリヴァーとフィルが向かった方へ走る
エリオットごめんなさい…!
炎から逃れるように
私は隠し通路へ走る
けたたましいエンジン音の後
窓ガラスが派手に割れる音が聞こえる
エリオットとホールさんは
隣の洋館屋上に飛び移ってくれただろう
「エリオット!どこいるんだ!まだか!」
前方からオリヴァーの声が聞こえる
薄らとフィルの姿も見える
「…お待たせしました」
「「ティナ!?」」
2人は相当驚いている
…無理もないだろう
「一瞬でエリオットを運転席に連れ込んで
自分は車外にでました」
フィルは開いた口が塞がらないのだろう
「危険だと言ったじゃないですか…!
何故ここに…!」
「フィル、落ち着け
もうここにいる以上
この3人で上に行くしかねーよ」
オリヴァーは私の両肩を掴んで
顔を覗き込んでくる
「ティナ、逃げ出さずに
俺たちとここに残るってのは
覚悟できてんだろーな?」
決してふざけた口調ではない
オリヴァーの力強い視線が
私を射抜くかのように
「当たり前です
イビルを連れて帰ります」
私もそれに負けないくらい
強い意思を持ってオリヴァーを見つめ返す
「よし、それでこそティナだな 行くぞ」
先程とは裏腹に
オリヴァーは優しく頭をぽんとしてくれた