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突然ですが、これから貴女は諜報員です。

第13章 Party Next


よろよろと崩れそうなホールさんと共に
ガラス壁の迷路を抜け出す

部屋を出る時には
炎がガラスを溶かし
跡形もなく消えていた


「ティナです
ホールさんを無事救出しました
皆さんどこにいますか」


『ティナもホールも無事なんだな
俺らは車が展示してある14階にいる
1台だけ動く車を見つけてっから
それでホールだけでも逃がすぞ』


インカムでオリヴァーが
居場所を教えてくれる合間にも
炎は廊下にまで燃え広がっていた


「下の階に戻って
洋館には行けないんですか?」


なぜオリヴァーたちは上の階に行ったのか
逃げるなら下の階でも…


『…閉ざされていたんです
エレベーターは使用不可
階段には下の階へ行けないように
シェルターがありました
ZI7によって閉じ込められたと思います』


…そういう事か
だから上の階に行くしかないのか

私はホールさんを抱えながら
急いで階段をかけ上る

ふと、ホールさんを見ると
先程の行為を示すかのように
ホールさんの唇に
私のグロスがべったりと付いている


「…失礼します」


私の指でホールさんの唇に付いたグロスを拭う


「…ティナ、さっきはー」


「お願いします 忘れてください」


ハッキリとした口調でホールさんに伝える
あまり思い出したくないし
私が嫌というより
ホールさん申し訳ないからだ

こんなにもイケメンで仕事もできるから
大切にしている女性もきっといるはず

あれはホールさんを助ける為にした
だからキスじゃない
ノーカウントだ


「…そうだね
助けてくれてありがとうティナ」


…ノーカウントにしたいのに
最後のアレはなんだったんだろう
ホールさんからのキスは…

…いや、駄目だ
今は集中しないと


やっとの思いで14階に辿り着く
いつもは大体スーツなのに
ドレスなのが邪魔だ


「ティナ〜! ホールさん〜!
無事で良かったで〜す!
この車だけ動くみたいで
ホールさんは乗ってください〜!
窓を突き破って
隣の洋館の屋上に飛び移りますよ〜!」


エリオットと一緒に
ホールさんをオープンカーに乗せる


「この状態のホールさん1人じゃ
運転できないので〜
ティナが運転してくださ〜い!」
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