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突然ですが、これから貴女は諜報員です。

第13章 Party Next


「これからホールさんを探しに行きます
フロア2階の非常階段前に全員集合して
そのままホールさんがいるはずの
立ち入り禁止ゾーンに向かいましょう」


フィルが真剣な眼差しで
的確に次の指示をだす


『わかりました〜!
急いでそこに向かいますね〜!』


エリオットは来れるだろう
私とフィルもこのまま向かえばいい

オリヴァーは…


「問題はオリヴァーですね
綺麗なモデルさんが
オリヴァーを離す気配はありませんからね」


フィルがそう教えてくれて
視線でオリヴァーのいる方を指す

あぁ…
オリヴァーはとても嫌な顔をしている
インカムを聴いていたはずだけど
見知らぬ相手と密着状態で
何も話せなかっただろうに…


ふと、オリヴァーと目が合う


「ほう…
どうにかして相手を振り切るようなので
私たちはこのままダンスホールを抜けますよ」


オリヴァーはどうにかなると信じて
私はフィルと踊るのをやめて
フィルの優雅なエスコートで
ダンスホールを後にした




「ティナ、銃は持っていますよね?
弾切れしてないかもう1度確認してくださいね」


フィルはエスコートしながら小声で話しかける
ホールさんの安否がどうかわからない中
事実、私たち調査偵察班は少し焦っている


11年間一緒にいるオリヴァーでさえ
ホールさんの失敗を見たことがないのだから
それほど頼れるリーダーなのだ


「わざわざ、ありがとうございます
今は人も多いので出せませんが…
護身用のナイフもいつもより多めにありますよ」


「そうですか…
これから4人でホールさんの元へ向かいますが
恐らく、かなり危険だと思います

…あまり無茶しないでください
私は心配でしょうがないのです」


フィル…
そんな悲しい声で言わないで…


「大丈夫ですよ
死にそうになっても死ねませんから
…レンもいますし」


そう言って、左耳のイヤーカフにそっと触れる

命からがら逃げだして
他国の浜辺に辿り着いて
試しに1つ左耳に付けたイヤーカフは
外した事がない
いや、というか外す事が出来ない

不思議なイヤーカフだと何度思った事か


「そうでしたね…
ですがティナはまだ16歳の女の子ですよ
私が必ずお守りしますから」
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