第8章 心配
私は、1人ベットに背を置いて座っていた。
コンコン
「どうぞ。」
「失礼するぞ。」
入ってきたのは、中原さんであった。
「どうだ、今日の気分は?」
「んー。まあまあいいかな?」
私は、あの日。
何か大切なことを忘れた日から、ベットから抜き出せなくなったのだ。
「中原さんは、太宰さんがどこに行ったか分かったんですか?」
「いや、まだだ。」
私は、そうですか、と云うと下を向く。
「……今日は、まあまあいいならちょっと出かけるか?」
中原さんが急に変なことを云い始めた。
「大丈夫ですよ。中原さん。」
「いや、すぐ復活できるように運動しておこうぜ。」
と中原さんは笑う。
それもそうですね、と私が云うと出かけることに決定した。