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真昼の月 真夜中の太陽 【気象系BL】

第2章 無限に続く愚かな優しさ


【キミヲオモウ】






テーブルには、スナック菓子の袋や
空のペットボトルが散乱したままで‥‥


お腹いっぱいになって、また眠くなったのか
雅紀はさっきと同じように、ソファーで丸くなってた





「腹膨れたら寝るって、ホントガキだな(笑)」




‥‥ベッドに寝かせた方がいいんだろうけど

さすがに、あのベッドに雅紀を寝かせるのには抵抗があった






片付けながら、丸まった背中を見つめ
俺もベッドには入らず、別の毛布を引き摺ってきて


ソファーに寄りかかり ‥‥目を閉じた


静まり返った部屋に
規則的な呼吸が絶えず響いてて




それがヤケに心地いい



そうして……そのうち俺も、眠ってしまってた













「……ノ……ニノ……」




体が揺すられ、誰かに呼ばれる




「んん‥‥」




体を捻らせ、背中を向けても

しつこく肩を揺らされ‥‥仕方なく、重い瞼を開く






「……っうわ!」




ドアップの雅紀が、俺を覗き込んでいた





「あ‥‥起きた!ごめんね!寝てんのに…」

「おどかしなやっ!ナンだよ!
‥‥ってか、いま何時!?はぁ?」




壁の時計を凝視する




「まだ‥‥5時前じゃん」

「うん。コッソリ帰るつもりだったんだけどね?‥‥鍵のコトあるし」

「早すぎねぇ‥‥?」

「うん。ニノは寝てて?‥‥俺、バイトなの」

「は‥‥?こんな早朝?」





こんな時間にバイトって‥‥
コイツ、夕方も酒屋のバイト行ってるだろ?





「んじゃね?帰るね」

「お、おう」


バイバイと手を振り、
半開きのドアから顔を覗かすと


にかっと笑った






「ニノ、ありがとね。‥‥いろいろ」







パタンとドアが閉まり

アイツの居なくなった部屋は

また、いつも通りの無の空間に戻る




まだまだ夜も明けない、窓の外は‥‥暗いまま




この寒空の下

バイトだと帰ったアイツの姿を想像し




俺に裏があるように

アイツにも、あの笑顔の裏側がある気がして





ほとんど寝てないのに


結局、その後眠れなかった





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