第6章 XXXXXXX回目のやり直し。
いつか。
貴方が聞かせてくれたような恋をしたい。
いつか。
貴方がやさしく語るような家庭を築きたい。
いつか。
貴方のように優しい生を行きたい。
「あれ、その狼…」
「あぁ、可愛いだろう?僕の娘」
「どういうこと?気になるよ、聞かせて」
「もちろんだよ、ねぇ」
意地悪をされた気分になりながら彼の足元に座り込む。
聞き耳をたてながら寝たふりをする。
この世界はいつになれば終わるのだろうと思いながら。
ふたりの香りにほっと一息をつく。
「僕は、を大切に思っているよ」
暖かい言葉に折れて頑張ろうと思わされる私はこの人をそうとう敬愛している。