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【NARUTO】人狼といっしょ。

第2章 愛してもらいたかった。


「私は、人の真似事しかできませんから、迷惑は極力かけたくないって思うのはおかしいでしょうか」
苦しげな彼の表情に私は開放の言葉を何度もかける。
「人狼は、人ではありませんからね。有害な里の脅威。それだけは何年たっても変わらないことです」
頷いてくれたらそれで、心置きなく。
「愛を知ってる貴方は、私がどれだけ醜いものか良くご存知だと思いますよ。それを隠しながらサクラやナルト、イタチさん達と過ごすのは不愉快のですか?」
廊下が騒がしく、サクラの声もきこえる。
足音が近づく。
「そうかもしれないのなら、それも断ちましょう。貴方には命で支払うほど迷惑をおかけしましたから。」
足音が止まる。
「のはらさんはとても正しいです。そう思いますよね。」
微笑むと彼は視線をそらした。
ほっとして頭を下げる。
「失礼します」
部屋を出ようとすると手を掴まれ振り返る。
「それでも、奥さんはお前だよ。」
「何、言って…私と貴方はとうの昔に」
「していないよ、残念だったね」
「嘘!そんなっそんなの嘘よ!!」
手に持っていた袋を落とし、彼の胸ぐらを掴む。
離縁なんてとっくに済ませていたと思っていた。
実際私が役所まで行ってないからわからない、けれど…つなぎとめていく必要の方がわからなかった。
私が根に行くと思っていたから?
暴走を危惧して離縁していなかったの?
「帰ろう、俺たちの家に」
「私はダンゾウ様のお足元にしか帰る場所はないとご存知でしょう!!!」
「知っているよ、君が本心からただひとりダンゾウを愛していたことを。ずっと知っていた」
「なら、どうして…私は、お金で買われて何度も何度も凌辱されて、強姦されて、化物扱いされて、何故貴方に私が止められなきゃいけないの…?わかりかねます、貴方が嫌いな私の髪の毛も貴方が嫌いな私も居なくなるというのに、何故…どうして自由にしてくれないのですか!!」
「ずっと奥さんでいてくれたから。名前を呼んでくれたから。それじゃだめ?俺もお前の居る場所に行きたいと思ったからだよ」
は手を離して座り込む。
放心状態だった。
カカシの目にはちらりと、綺麗な文字で『いつでも迎えに行きますよ』と綴られていたカードが一枚。
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