第11章 才華。
「あ、あの!!お客人は入れてはならぬと!!」
「大丈夫だ、余は客人ではない」
「へ?っというか、あの!下ろしてください!」
「お前は千代の使い魔だろう?式神と言うか?」
「!」
「この屋敷はお前が居た方が辿り着きやすそうだ」
腕でバタバタと暴れるが、紙ほど軽い子供。
はぁっと、項垂れ口を尖らせている。
「主に御用で?」
「ああ」
「それは、瑠花姫様を通しておられぬと?」
「何故アレに会うのに瑠花を通さねばならぬ」
「あーあ、僕知らない」
「なんだ、瑠花と主どちらが怖い」
「どっちかと言えば瑠花姫ですかね。貴方がどっかの偉そうな人なのは理解できますが、きっと殺されるのは解ります」
「ほう」
「この間も笛吹き男がどっからか入り込んで大層御立腹でしたからね」
「⋯⋯」
ふと、廊下の角を曲がると、子供はじゃーねどっかの偉そうな人と笑って消えた。
成程、近いと言うわけかと足を進める。
部屋を覗いて回ると、ふと笑い声に足が止まる。
見つけたと、確信するや否や乱暴に部屋に踏み入る。
そこには、娘が居た。