• テキストサイズ

【進撃の巨人】ジャン・キルシュタイン

第2章 出会い






「………そんで、調査兵団になって、この世から巨人どもを駆逐してやる!」



黒髪の鋭い目付きの悪い男から、ハッキリと聞こえた言葉。



ハッ!

巨人を駆逐する?

なんて、お気楽な野郎だ。



「おいおい、正気か?お前今、調査兵団に入るって言ったのか?」



「あぁ、そうだが。たしかお前は、憲兵団に入って楽したいんだっけ?」



挑発的な俺の言葉に反応し、男が振り向く。



けっ!

そんなもん当たり前だろ?



ウォール・マリア奪還政策に、一体何万人が犠牲になったのか分かってんのか、コイツ。

犠牲の数に反して、マリア奪還は成功しなかったっつーのに……




「俺は正直者なんでねぇ。心底怯えながら勇敢気取ってる奴より、よっぽど爽やかだと思うがな。」



素直な自分の気持ちを男に投げ掛けると、男は眉間にシワを寄せ、俺を睨み付けた。



「なぁ、それは俺のことか?」



自ら巨人の餌になりにいくっつー馬鹿な男。

お前以外に誰がいんだよ。



「あー、すまない。正直なのは俺の悪い癖だ。気ぃ悪くさせるつもりはないんだ。これで手打ちにしよう」



椅子を引きテーブルを立つと、男も俺に合わせ前に来た。



互いの手を合わせ、叩く。



世の中には馬鹿なヤツもいるもんだな。



男が去ると同時に、俺の前を、ミサキに良く似た雰囲気の女が横切った。



先程まで思考を埋め尽くしていたものに思い掛けず、声を掛けてしまう。



「な……なぁ、あんた」




/ 68ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp