第34章 10年越しの告白
「格好よかったな、生徒会長」
入学式が終わり担任の挨拶と明日以降の予定を告げられ本日の日程は終了。
幼稚園の時から腐れ縁の斗真が俺の机のところにやって来て開口一番そう言った。
「『格好いい』なんだ…」
「え?格好いいだろ?何?潤はそう思わなかったの?」
俺は『格好いい』じゃなくて『綺麗』だと思ったんだけどな…
「まぁ、格好いい、よな…」
「なんかスッキリしない言い方だなぁ…潤は自分がイケてるからそう思わないってか?」
「そんなことねぇよ!俺よりも全然イケてたしっ!」
思いっきり否定した俺を斗真は驚きの表情で見た。
「そんなムキにならなくてもいいだろ…どうしたんだよ、潤」
ほんとどうしたんだろ、俺。
櫻井さんの姿と声が頭から離れない。
しかも思い出すだけで胸が締め付けられる。
まるで恋してるみたいだ…
でもまさかな…いくら綺麗な人でも男相手にさすがに『恋』ってなぁ…
「あ、噂をすれば会長だ」
「えっ?どこ?」
斗真の声にすぐにキョロキョロと窓の外を見た。
「ほら、あそこの渡り廊下。ふたりで歩いてるのそうじゃね?」
ふたりで楽しそうに笑いながら歩いているのは確かに櫻井さん。
入学式の時は綺麗な笑顔だと思ったけど今の笑い顔は『可愛い』だな。
一緒に笑い合ってる隣の人物が羨ましい…
「潤?」
「え…」
「お前、どうした?」
「何が?」
「いや、会長のこと見てる目がさ、なんだかやけに切なそうなんだけど…まるで恋でもしてるみてぇ」
「えっ!」
さっき自分でもそう思ったけどまさか斗真にまで指摘されるなんて…マジで俺、櫻井さんに恋してる?
なんだか顔が熱くなってきた。
「おいおいマジかよ?お前、顔赤いぞ?」
「斗真…俺マジでヤバイかも」
「へ?」