第28章 forever
《智side》
「雅紀、まだ薬抜けきってないでしょ?寝てていいよ?」
散らかってしまった部屋を片付けながら翔が相葉に声を掛けた。
「ん、そうさせて貰う…ごめんね、翔ちゃん」
ソファの上で横になり毛布を被った相葉。
「謝らなくていいから」
翔が微笑むと相葉も微笑みながら目を閉じた。直後に聞こえ始まった静かな寝息…相当無理してたんだな。
松本も黙々と部屋の片付けを手伝った。散らばってしまった食べ物を拾い、溢れたビールを雑巾で拭く。
片付けが終わると翔は松本に笑顔を見せた。
「ありがと、潤。手伝ってくれたから早く片付いた」
「お礼なんて言うなよ、元々俺のせいで散らかったんだから」
「ん、でも助かったから、ありがとう」
「ほんとお前って人が良すぎ…そんなんだから大勢に狙われるんだよ」
「大勢になんて狙われてないし…」
はぁ、やっぱりわかってないか…お前がどれだけの人に好かれているか。まぁ、しょうがない…それが翔なんだもんな。
「翔、相葉も寝たことだしそろそろ帰るぞ」
「あ、はい…潤、今日は泊まってっていいからね。ベッド使って?」
「えっ?帰るってどこに?翔の家ここだろ?」
「うん、一応ここなんだけど、今この部屋ほとんど使ってなくて。いつも智さんの部屋にいるんだ」
「今からそこいくの?もう時間遅いんだからここで寝ればいいじゃん。俺が邪魔なら俺帰るし」
「ううん、大丈夫だから潤はここで寝て?」
「でも…」
「すぐ上の階なんだ、智さんの家」
「え?マジか…」
「うん、だから大丈夫」
「なんでこんな近いとこ借りてんの?」
「俺がそうしろって言ったの」
松本は俺を見ると苦笑した。
「アンタだいぶ過保護だな」
「よく言われる…でも相手がこいつだから。そのお陰で今日も間に合ったし」
俺は翔の頭に手を乗せ苦笑した。
「確かにな…」
松本は静かに微笑んだ。