第13章 おいしいひととき
「そんな大袈裟だな、ただ大将の料理が好きで毎日食べに行ってただけなのに」
「それ聞いたら大将凄く喜ぶよ、絶対翔さんに料理届けろって言われる…だからね?いいでしょ?」
「う~ん、じゃあ大将がいいって言ったらお願いしようかな」
「よっしゃあ、決まりね…じゃあ翔さんの連絡先教えてよ、大将と話して決まったら連絡するから、でも絶対良いって言うと思うよ?」
俺が携帯を手にすると
「あまり無理言うなよ?大将にも潤くんにも迷惑は掛けたくないから」
そう言いながら携帯を出してくれた。やったね、翔さんの連絡先ゲットだ。それだけでも俺にとっては嬉しいことだった。翔さんの名前が表示されてる画面をじっと見つめた。
「じゃあな、潤くん」
「うん、おやすみなさい」
コンビニを出て手を振りながら翔さんが帰っていく後ろ姿を見送った。
あ~、早く明日になんねぇかなぁ。
翌日大将に翔さんの話をすると俺の思った通り
「コンビニ弁当?そんなの食ってんのか櫻井さん…よしわかった、夜食べても胃に負担掛からねぇ、しかも栄養バランスのいい弁当作ってやる」
「ありがとう大将…翔さん喜ぶよ」
「喜ぶのは櫻井さんだけじゃないだろ?」
「え?」
「お前もだろ?潤」
大将がニヤニヤしながら俺の顔を見た。
「は?何言っちゃってんすか」
「俺の目は誤魔化せないよ?まぁ、ちょっと相手が悪い気もするが、頑張れよ」
はぁ、大将にはバレてたのか…気を付けないと翔さんにバレちゃヤバい。