第3章 モルヒネを追って
暗いな……。
明かりが無く、薄暗い視界。
がらんとした何もない空間に、突如ぼんやりと浮かび上がる人影。
「……っ」
……俺達の目の前に、黒い服を着た集団がいた。
コイツらが……モルヒネなのか?
黒服の連中が全員こっちを振り返る。
薄闇に浮かび上がるギョロリとした虚ろな目。
どこか人間味を無くした様は異様だ。
……などと思っていたら、一斉に黒服の連中がこっちへ向かって走り出した。
「!! 急に来た!」
「そう来なくっちゃな! オラ! 来い!!」
「…………」
紅雀が威勢よく挑発の声を上げ、ミンクは冷静に構えている。
次の瞬間には先陣を切って、二人は黒い群れに飛び込んで行った。
「わぁぁあ~!」
そんな中で慌てふためくクリア。
アイツ…大丈夫か……?
内心頼りないとも思ったんだけど。
「暴力はいけませーん!!」
などと口にしながら、ポコッという迫力の無い音で何故か相手を次々と殴り飛ばしていた。
クリア……意外と強かったんだな。
まぁ、人は見掛けによらないって言うし。