第41章 冬での一時
クレハ「あんな加害者の輩を取り付かないで下さい。
あいつらのいい点なんて、あなたは知らないでしょう?私だって知りません。
そいつの知り合いでない限り、知るわけがありません。
第一、そういう点以外での接触もなかったのですから。
つまりを言うと、そういう行動をとっていながら責められなかったから気付けなかった、知らなかったと済ませようとしているというだけなのです」
ケイト「うー;」
クレハ「あなたは人を良くしようとし過ぎです。
はっきり言って甘いんです。優し過ぎるんです。
人を責めるぐらいなら自分を責めるなど」
ケイト「でも…さ」
クレハ「父親や養父の霊が怖いのなら結界を張ります。というより専門の人に来てもらって張ってもらったので大丈夫です」
ケイト「なんですと!?;」
クレハ「ですから…安心して言って下さい。
自分がどう思っていたのか。それほどに押し殺していたのは、父親の件で押し殺す癖がついたからでしょう?
今、あなたはその過去と対面して…どう思っているんですか?」
ケイト「…」
クレハ「私としては名前を知りたいですね。いじめた輩の」
ケイト「いや、でもいい人達もいたんだよ!?少しだけだけど、打ち明けられなかったけども!」
クレハ「そうですか。では何故卒業アルバムをあんなに硬く封印しているんですか?」
ケイト「!!……」俯
クレハ「口をつぐんでいても解りません」
ケイト「……呪い、かけそうだったから。
当時の顔を見るだけで、フラッシュバックを起こすんだ。
それで…気付けば怒りとか哀しみとか当時の感情に包まれて、その想いのままに呪いそうだった。
私さ…それだけは嫌だったんだ。幸せ掴んでるなら、結婚して子供もいて…そういうのだったら、そんなのかかったら嫌だろうなって…
だから……見たくは、ないんだ。あんな人達の顔なんて」
クレハ「なるほど。分かりました。では制裁を加えてきます」
ケイト「タイム!ダメ、絶対!!;」
クレハ「なら正直に話して下さい」
ケイト「え?」
クレハ「あなたはまだ、心の奥に棲む想いを解き放ってません。
二度と大阪に帰りたくないぐらい言ったっていいんですよ?」
ケイト「うん、わかった。正直に言う」