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【イケメン戦国】時をかける妄想~

第12章 二人の宝物 三章


凛が部屋の支度を終えて
広間に戻ると、家臣達が
ぞろぞろと退室している所だった。

「皆さん、気をつけて帰って下さいね。」

「凛様、ありがとうございます。」
おやすみなさいませ、と挨拶をして
家臣達を見送ると広間に入る。


「お待たせしました。」

綺麗に片付けられた広間には
脇息にもたれた信長と
佐助を肩に担いでいる謙信、
ぐったりした幸村の背中を擦りながら
笑いかける信玄。

そして、信長の後ろに光秀が立っていた。


「あれ?政宗達は?」
(ちゃんと帰れたのかな?)

「政宗は与次郎に任せた。」
光秀がニヤリと笑う。

「あ、そうなんですね。」

「秀吉は俺が執務室に運んでやった。」
家康は‥、と言葉を切って
光秀がクククッと喉を鳴らす。

「‥まさか。」

「三成が御殿まで連れて行ったぞ。」
明日の奴らの顔が見物だな、と
光秀は愉しげに笑った。




「凛、部屋に戻るぞ。」
光秀、後は任せる、と信長は
立ち上がり羽織を翻した。

「はいっ。皆さん、おやすみなさい。」
謙信様、信玄様ゆっくりなさって下さいね
と、笑顔を向けると、
広間を出る信長を追いかけて
凛も広間を後にした。


「さて、お部屋に案内致します。」

「世話になる。」
謙信が佐助を担ぎ直すと、
佐助が、うっ‥と声を洩らす。

「‥謙信様‥。」

「起きたのか?」


「徳さんは‥別嬪さんで‥ごわす。」
そう言い残し佐助は再び眠りについた。

「‥ごわす‥?」



「おい、幸。立てるか?」

「あー‥頭痛え‥。」
家康のやろー‥と信玄の肩を借りる。


「お楽しみ頂けたようですね。」
クククッと笑みを零しながら
光秀は広間の灯りを落とした。
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