第16章 迷子の猫
2日後
特に政府からの動きは無い
私はずっとケータイとにらめっこ
自「...あっつ...」
道場の柱にもたれ掛かって訓練する四人を見る
暑さにやられたのか少し目がチカチカする
自「くっそ」
そう言えばここ2日まともに寝てねぇな。
こんな状況で体調不良とか言ってらんねぇぞ...
イライラしていると手の中のケータイが音を立てて震える
画面を見ると非通知着信
慌てて出ると布の擦れる音がする
自「...もしもし...」
[もしもし......]
自「...五虎退か?」
その言葉を聞いてか四人の動きが止まり近付いてくる
五[はいっ...電話出来なくて...すみません...]
涙声なのか声が震えている
4人とも耳を近づけて五虎退の声を聞こうとしてくるので聞こえやすいようにする
自「それはいいんだ...
大丈夫か、何か嫌な事されてな」
五[あるじ様...
僕、ぼく...っ......帰りたいです.........!]
あるじ様 その言葉は自分の主に向けられたものではなく電話越しの私に向けて言った言葉そのものだった
会ったのはたった1回で十数分
でも五虎退には充分な時間だったのかもしれない
自「...今、迎えに行くから待ってて、ごこ」
すると後ろから他の人の声が聞こえてくる
[ごこ〜?誰とお電話してるの〜?]
五[乱兄さん...!?!?]
ガチャっと音と共に電話が切れる
歌「主、誰を連れていく。」
歌仙が私に問いかける
自「...今回は1人だけ連れていく」
4人とも真剣な顔だがその中で1番存在感を放っている奴がいる
分かってる
最初からお前を連れていくつもりだ
今度は後悔しないように助けろ
自「倶利伽羅、早く着替えてこい」
大「あぁ」