第2章 2人の距離2
「本当にすみません。ニノさんの方が疲れてるのに。」
本当に申し訳なくなり言うといーよ。と軽くあしらわれた。
「んーそうだな。…じゃあ休憩させてもらおうかな。」
「はい?」
ニノさんの発言に思わず返してしまった。
部屋。
大丈夫だっけ。
一瞬そんなことを過ぎったがいやいや!そういう問題じゃない。
フリーズして暫く考え込んでいると
「なに?部屋汚いの?…俺そういうの気にしないけど」
本当に気にしてなさそうに言うニノさん。
部屋は汚くないはず。と少し呟くと、じゃあ休憩〜。と靴を脱ぎ私の横をすり抜けて行った。
「えっ…ニノさん。」
私の制止も相殺されリビングに足を踏み入れソファに座るニノさん。
「あぁ〜。やっぱりね。」
そう言って辺りを少し見渡した後ソファに寄りかかった。
え。やっぱり汚いかとか見られたらまずいものあったかとかキョロキョロ見渡して慌てる私を見てクスッと笑うニノさん。
「いや。思ったとおりよ。…落ち着く。」
そう言って首をソファに預けて目を瞑るニノさん。
どうやら寛いでくれたらしく安心して紅茶を入れに行って戻るとニノさんはゲームをしていた。
どうぞ。と置くとありがとう。と少し口をつけてまたゲームを再開する。
落ち着いている。
いや、寛いでいる。
寧ろ寛ぎすぎだ。
普通。初めての家でここまで寛ぐのか?
そんなことを思いながら見つめているがニノさんは気づいていないのか無視しているのか反応はない。
仕方ないので私も明日の準備をした。
準備をし終わってニノさんを見るが未だにゲームに夢中で帰る気はなさそうなのでなにも言わずシャワーを浴びに行った。
シャワーを浴びながらこの中々奇妙な体験に笑ってしまう。
荷物を運んでくれたまでは至って普通。
部屋に強引気味に入ってくるのも。まあ仲良しならありえなくもないか。
でもその後が可笑しい。
片方はゲーム。片方は仕事の準備。
初めての家で。
しかも気にせずシャワー浴びてるし私
この不思議な出来事を何故か自然に受け止めてしまった自分がいてますます可笑しくて笑ってしまった
これはニノさんの雰囲気の所為だなと解釈してキュッとシャワーを止めて上がり着替えてリビングに戻るとニノさんは私に気がついたのか背伸びをしながら欠伸を一つしてあー。風呂か。と私を見て言った