第1章 2人の距離
その後二宮さんは私を連れて戻り、「いやー。トイレ激混みで喫煙所付き合ってもらった」とさりげなく会話に混ぜつつ私の帰りが遅かったのを伝えてくれ皆んな特に気にしてなかった。
私は首元の傷跡が気になってその後のお酒は全然美味しくなくてその日は早めに帰宅した。
次の日も当然仕事で洋服は出来るだけ首元が窄まったものを選んで行った。
「由梨昨日は楽しかった?」
ニコニコ聞いてくる楓さん。
二宮さんは言うような人ではなさそうだけれど少し疑ってしまう。
楓さんには言ってしまいそうな気がして。
それでもいつも通りの楓さんで午後にはそんな心配はなくなっていた。
「あー。俺も行きたかったなー。」
そう言ったのは櫻井さんで昨日は別の仕事があり参加できずにいた。
「ちょー楽しかったよ。あそこのお通し美味しくてさー。」そう言ってお通しの美味しさを伝える相葉さん。
相葉さんは私と真逆の位置にいてその日は接点は全くなかった。
「俺のお通しも食ってたからね?」
相葉さんの隣に座っていた大野さんも同様にその日は話すことはなかった。
「そういえば俺行った時もう神崎ちゃん居なかったよねー。」
松本さんは私が帰宅した後に合流したらしい。
「あら。由梨先に帰っちゃったのー?…えらいじゃない。」
何故か楓さんに褒められる私
「楓ちゃんも昨日は楽しかったの?」
ヘアメイク中の二宮さんは話題を楓さんにふった。
そして私をチラッと見てフフッと笑っていた。
気、使ってくれたのかな。
多分二宮さんは私が傷跡を気にして早く帰ったことに気づいている。
「えっ。…なんでニノちゃんがそんなこと知ってんのよ」
げぇーっと楓さんがエスパー怖いと言っているのを見て思わず笑ってしまった
確かに二宮さんは察しが良すぎる
「いやー。楓ちゃん昨日はご機嫌にデートだーとか携帯見ながら鼻歌歌ってたし?」
またフフッと笑って邪魔にならない程度にゲームを再開する二宮さん
一方楓さんはうわー!よりにもよってニノちゃんに見られてるなんてっ!!とショックを受けていた
「で、ガチムチなんですか?」
とりあえず楓さんのお相手についてきいて見ると
「そーよー。見た目は普通だけど脱ぐとすっごいのよ」
思い出しながらなのかふふん。と自慢気に笑って言った楓さんに他のメンバーも笑っていた。