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【戦国BASARA】闇色夢綺譚 ※R18

第3章 ~ひらり、ひらりと久遠の破片~


月を見ると思い浮かぶのはアナタ。
だけど、アナタは霞がかっていて誰だか分からない。
でも、今なら分かる気がする…。
何となく、何となくだけど、貴方の様な気がするの。


美しいお月様。


アナタは誰を探しているの…。




「前から知っているような気がします…」

その瞬間、わたしは銀の月に包まれた。




「んっ!!」



呼吸が止まる。

時間が止まる。




わたしは石田さんにキスをされていた。
それに気付いたのは呼吸が止まってからの事。


あれ…


わたし、知っている…?

何…この感じ…。

少しだけ荒々しい、だけど優しさも兼ね備えている感情的なキス…。

「ん…」

自然と艶のある声が唇の隙間から溢れる。
切なくも甘い互いの舌が混ざり合い、わたしは彼を求める。

「っ…ふ…ぁ」

どうして…。

わたしは重治さんが好き。
重治さんを愛している筈なんだ。

でも、

でも…


拒めない…。


この気持ち、知っている…?

何処で感じた?



「お前に、触れても良いだろうか…」


いつもより低い声で石田さんはわたしに囁く。

誰かに許してと言う様に…。


この表情、セリフ、全てが何処かで感じた事がある。

思い出せ…。

何処だ…。


見つめ合うわたしと石田さん。

石田さんの表情が何とも言えなかった。


" どうして、そんなに、儚く微笑むのでしょうか "


これは、わたしのセリフ…?


互いの瞳が揺れる。

わたしの思考回路はぐちゃぐちゃだ。
でも、身体は勝手に動いて石田さんを求める。


「ん…っ」


わたしは…


私は…


ワタシは…





堕ちる。
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