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イケメン戦国★センチメンタルLOVE

第14章 あなたへの恋文(家康)


早速その日から、針子の仕事が終わると文の練習をはじめた。
家康がお手本として渡してくれたのは、過去に献上品を贈られた大名への礼状だった。


「うーーーん。
"ありがとうございます"とか、"素敵な〜"とかは使えそうなんだけど、
これだけだと、思った事書くのは難しいな…」


礼状を手本に、同じように何枚も書いては見たものの、
やはりそれだけでは、気持ちを込めた文を書くまでは遠い道のりに感じた。

愛が、筆に悪戦苦闘していると、


『愛いるか?』


襖が突然開いて、現れたのは政宗だった。


「政宗!どうしたの?」


突然現れた客人に驚いて声を上げる。


『お前がなんか面白い事を始めたらしいと耳にしてな。
字を書けるようになりたいんだって?』

「ねぇ、情報早すぎじゃない?
まぁ…そうなんだけど…でもなんかしっくりこないんだよね」


政宗は、お手本の書状を写している愛を見る。

『書状を写してるのか。それもいいが、普通に文を書いたらどうなんだ?』

「そのつもりなんだけど、やっぱりお手本がないと…」

政宗がニヤリと笑みを携える。

『お前、家康からもらった恋文ないのかよ』

その質問に、いとも簡単に赤くなる愛。

「なっ!あ、あるけど…あれは、私に読みやすく書いてくれてるから…
あんまりお手本にはならないよっ!」

しどろもどろになる愛に、笑みを深くする。

『なら、"ちゃんと"書いてもらったらどうだ?
それを毎回手本にすればいいんじゃないか?』


「え?毎回?違うのを書いてもらうの?」


その発想はなかった。でも、家康が果たしてそれに付き合ってくれるだろうか。


『お前が書いたのを添削するだけじゃなく、返事を貰えばいい。
文…特に恋文ってのはそういうものだろうが。
毎回交換でもらえば、愛の手元にはいつも手本がある事になる』


「なんか…交換日記みたいだね」


『なに?こうかんにっきって』

そこへ、思いがけず家康が現れた。


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