第74章 君がため
「掻い摘まんで話すね。…主ちゃんには、適応障害と、対人恐怖症、心的外傷後ストレス障害と言う障害があるんだ。」
「障害‥ですか?」
「物心ついた頃から辛い思いを何回もしてきて、本丸と言う安住の地を見付けた。だから、こちらに長く留まるのに、彼女の精神が耐えられないんだよ。」
やはり調べた通りか‥
では、こちらへ来てから服用しているあれは、精神安定剤、という物なんだな。
「昨日調べた。他人に対す事に恐怖を感じる障害と、生命の危険を感じるような恐怖や絶望を体験した後に継続して起こる、幻覚や白昼夢、驚愕反応などの精神障害の事だな。」
「…じゃあ、俺は知らなかったとはいえ、笑ってくれなんて酷な事を言っちまってたんだな。」
色が変わる程手を強く握り締める薬研。