第68章 海風
「…みず‥?これ海か!?」
「うん、雪の白と海の青がきらきらしてて綺麗だね、やっぱり今日みたいなお天気の良い日は凄く綺麗…」
遊歩道から外れて浜辺を歩く。
はぁっ、と吐いた息が白くなって次々と海風で消えて行った。
「やっぱり海は寒いね‥」
そう言うを抱き締める。
「…寒いよな、悪かった。もう少し温かい格好をさせてから連れ出すんだったぜ。」
首に当たるの髪が氷の様に冷たい。
きみの事がもっと知りたい…
楽しい過去も悲しい過去も全部纏めて大切にしたい、と思うのは俺の我が儘なんだろうな。