第94章 今を生きる
「何ヵ月か前の話だ。突然主が朝方部屋へ来て、虎徹は預かった!返して欲しくば祠前に来い!って騒いだ事があるんだ。」
祠前…あぁ、玄関の横にあるやつか。祠って言ってもそんなに立派な物じゃなくて、この本丸で色々あった時に主達が建てたんだって言ってたぞ。
「うんうん、それで?誘拐でもされたのかい?それなら寧ろご褒美じゃないか。」
「勘弁してくれ、その頃は余り主に興味は無かったからね。またふざけてるな、くらいに思いながら主と祠前に向かったんだよ。」
「だよなぁー!蜂須賀が主と話してるの見るようになったのって最近だもんな。」
「コホンッ、その辺りは別にいいだろ?」
「甘酸っぱいとはこういう事をいうのかもね。これは本格的に恋愛祈願も可、と広めた方がよさそうかな?」