第94章 今を生きる
「やっぱり戻ってたね!さっきは居なかったから一周して帰ってると思ったんだ。さぁ、覚悟……って、あれ?主さん?」
「あ?あんたも一緒か?なら協力してくれよ、歌仙の奴がうるせぇんだ。」
えーっと…この二人は昨日会ったぞ。堀川さんと和泉守さんだったよね?まさかこの二人のうちどちらかが本命、なんて事あるのかな?
「ねぇ、主、協力だって!どうすんの?」
「…あ、えっと‥堀川君と兼さん?あ、今日内番だっけ。」
「ん?赤い顔してどうしたよ?というか、あんた達はこんな薄暗いとこで何してんだ?」
えーっと…と、言葉を詰まらせた主が手元を見て、あ!っと叫ぶ。すると、一気に山姥切さんの布を剥ぎ取った。
「うわっ!?何を…」
「そう、私も!この布を取りに来たんだよ!うん!はい、どうぞ!!」
立ち上がって、奪った布を手早く畳むと堀川さんに手渡す。