第94章 今を生きる
「よく聞け、嫌いじゃない。」
「ほ、本当?」
「……あんたへの気持ちは、好きなんて簡単な言葉で表す事は出来ない。もっと大切に想ってる。」
おぉ!?何だこの二人、イケナイ関係ってやつ?…あれ、俺、今凄く邪魔じゃないか?大人しくしてよう。
「まんばちゃん?」
「俺は…あんたが思ってるよりずっと、強く想ってる。……好きでは足りないんだ。」
青緑色の瞳が優しく揺れて、綺麗に笑った山姥切さんに思わず見蕩れる。主もそう思うよね?凄く綺麗。
「あんたを……」
「‥っ!!」
主の耳に手を当てて、何かを囁いた。え?何?俺にも聞かせてよっ!!赤くなっていく主を撫でながら山姥切さんが笑う。
次の瞬間‥
「山姥切は居るかぁー!!!」
「兄弟!観念して大人しく布を渡しなよっ!!」
開いた障子から光が射し込む。もー何だよ!俺の開いた口も塞がらないよ!