第94章 今を生きる
「主!一緒に来てっ!」
「え?ちょっ!?」
こうなったら直接怪しいい奴に聞けばいいんだもんね!隣に居た主の手を掴んで走り出す。
「あ、こら!包丁!いけませんよ!」
「おい、待てっ!」
やばいやばい、急いで隠れなきゃ怒られるぞ!
「主、急いで!あ、あそこの部屋何の部屋?隠れるよっ!」
「あーもぉっ!待ってよー!」
滑り込んだ薄暗い部屋の障子を閉めて、床の間に主を押し込んで口を塞ぐ。ばたばたと足音が部屋の前を通り過ぎて行ったし、一先ず安心かなぁ?
「むぐぐ!」
「あ、ごめんね、主。ね、協力してよ!いーでしょ?」
「はぁ…だから私は人妻じゃないって言ってるのに‥」
またそれぇ?んー…あ!じゃあこうしよう。
「ならさ、誰が一番主を好きか調べようよ!」
「え、それ私も行かないといけないの?恥ずかしいんだけど‥」
大丈夫、大丈夫!俺が付いてるから!