第94章 今を生きる
「えー?だって俺が主の部屋覗いたら二人でぎゅーってしてたじゃん!苦しそうな主の着物の裾を捲ってさ、こーして足を‥」
「長谷部殿…?」
「違うってば!正座して書類まとめてたら足が攣っちゃって、長谷部が揉んでくれてたの!勘違いしないでよねっ!?」
「主、そんなに全力で否定されると複雑なんですが…」
「包丁、勘違いのようですから主殿に謝りなさい。それに何故主殿の部屋の前に居たんです?用事なら声を掛けてから入るのが礼儀ですよ?」
ちぇー、絶対この二人が怪しいと思って張り込んでたのになぁ…。一兄のお説教長くなるだろうし、早めに切り上げて、他の奴の所へも行ってみよっかなぁ?
「ごめんなさい。でも俺、主の旦那が誰なのかどーしても気になるんだよ!」
「包丁君、だから何度も言うけどねぇ…」
もーいいもん!こうなったら実力行使だよ!