第93章 白妙
「死のうは一定、偲び草には何をしよぞ。一定語り起こすよの…って。」
「‥人は生まれてきた以上は死ぬ定め。死後に語り継がれる為には何をしようか。何か残す事が出来たなら、その生きた証を元に、後生の人が自分を思い出して語り継いでくれるだろう。…ですね。」
「うん。」
難しいよね、調べたは良いけど使う事は無いだろなって思ってたんだ。そう苦笑いして、続ける。
「本当は私だって、不動行光つくも髪〜って言えたら良いんだけど、でもそんなに仲良くないし…あの小唄は、きっと前の主さんが歌うから、彼は嬉しいんだよ。」
生きた証を一緒に作って欲しいなんて言われたら、うちの者は誰でも嬉しいと思う。と、思うのは俺だけだろか‥
正直あいつが羨ましい。