第93章 白妙
見付けた!!やっっと!!!
片手を軸に手刷りを乗り越え、階段下まで一気に飛び降りる。
それを見た主が驚いて、椅子の上で抱えていた膝を強く抱き寄せて、更に縮こまったのが解った。…短刀達から俺の伝言は伝わっている筈ですよね、主。
「‥覚悟は出来ていますよね?」
「あ、えっと…あれ?怒ってる感じ??」
「。」
「は、はいっ!!」
「俺と祝言を挙げて下さい。」
「はい…は?はいぃっ!??」
わたわたと手を動かして全身で混乱してます、と言わんばかりに慌てふためく主の横に座る。
まぁ予想通り過ぎる反応だな‥提灯の明かりのせいではなく赤くなった耳朶を摘まむと、ぴゃっ!と不思議な声を出した。
「大丈夫ですか?」
「……。」
ふるふると首を振る主は面白いな。