第93章 白妙

夜桜最高！と、酒瓶で桜に乾杯する様に動かすと、高らかに笑った。

「はぁ‥程々にな。太郎太刀、こいつ頼むぞ。」

「ええ、解っていますよ。向こうの者にも気を付けて下さいね。」

太郎太刀が見詰める方を見ると、新撰組の奴と陸奥守が騒ぎ始めていた。また刀か銃かで揉め事か？勘弁してくれ。

「小夜、三条の所へ行って前田と茶の用意でもしてやってくれないか？水筒に入れてある。」

「三条だね、解った。」

肩から降ろした小夜が駆けて行く。さて、俺も向こうへ行ってみるか。

「…おい、また揉め事か？喧嘩なら本丸へ戻ってからにしろよ？」

「あ、長谷部。違う違う、珍しくこの三人意見が合ってさぁ。ねっ、安定。」

「うん、珍しいよね！なんか、この酒の肴がお気に入りらしくてさ。」

持ち上げて見せた重箱の中身は、太郎太刀が作っていた瓜の炒め物だ。