第92章 夜桜
「……別に隠れてない。」
「‥僕も隠れてません。大倶利伽羅さんが覗いてたから、何してるのかな?って思って見てただけです。それに、歌仙が言わずとも僕は手伝うつもりだし。」
「ははは!伽羅坊バレバレだな、後ろががら空きだぜ?」
「くそっ…」
ふてくされた様にそっぽを向く伽羅ちゃんと、それを笑う鶴さん。たたた、と小走りで入って来た小夜ちゃんが主ちゃんの手を握る。
「夜桜…僕も見たいから。」
「小夜ちゃん‥」
「勿論俺も手伝いますよ、主。‥歌仙、これで良いだろ?人手が足りないのなら堀川や山伏も連れて来よう。握り飯なら薬研も出来るしな。」
「はぁ、長谷部は元よりそちら側なのは解ってたさ。じゃあ、始めないとね、夜は待ってはくれないよ?」