第89章 夢路
あいつじゃないからいけないのか?
「‥あんたが不安なら、いつだって傍にいる。眠れないなら一緒に起きていたって平気だ、寂しいなら抱き締めてやる。…どうして俺を頼らない?」
「伽羅ちゃん‥ごめん、なさい。」
「…馴れ合いは嫌いだ、だがあんたは良いと言った筈だ。」
光忠や国永、粟田口の二人はこいつが作った。だから、こいつに色んな感情を持つのも解る。
だが、光忠が呼んだ俺や戦場から来たへし切は違う。だからこそ、今のこの気持ちは他の奴等の、そうなる様に作られた物とは別の物なんだ。俺が考え俺が決めた。特別なんだ。
手には入らない、そんなの解ってる。でも、それならせめて、頼って欲しい‥それもいけない事なのか?
肩を掴み腰を引き寄せると、思い切り口付けた。