第85章 暦
「ふふ、主殿、鼻の頭が赤いですぞ。少し冷えたのではないですか?」
「主まで鶴丸と一緒になって…はぁ。」
結局こいつは、朝食の用意が全部済むまで国永と一緒になって窓の外で本を見ていた。
赤くなった鼻の頭を摘まむと、ぶーと笑いながら顔を振る。
「ごめんね、ちょっと興味深い内容だったので。」
「……あんたはともかく、国永が本なんて珍しいな。どんな事が書いてあったんだ?」
おいおい、俺も本くらい読むぜ?と、取り皿に箸を置くと、膝の上に置いていた本を手に取り表紙を見せる。
「これだ、暦やら行事やらが載ってる。面白いだろ?」
人間てのは何でも記念にしたがるからな、不思議なもんだぜ。とパラパラ本を捲る。
まぁそうだな、確かに語呂合わせだとかで訳の解らない記念日が沢山ある。