第84章 ジャックダニエル
「ぅ、はぁ…あるじ、そんなに良いですか?腰が動いていますよ‥」
ぢゅぼぢゅぼと激しく掻き回す音と、相変わらず苦しそうな鳴き声だけが響く。この顔も良いけど、でも苦しそうなのばかりは…
「んぐぅ!?‥げほっ、かは‥」
「ごめんね、苦しかったね。やっぱり僕ちゃんの声が聞こえないの嫌だな。」
「み、つただぁ…?」
頬をそっと包むと、熱くなった手で握り返してくる。肩で息をして、涙でいっぱいの瞳で見上げてきた。
「ふふ、可愛いよ。」
そう言って溢れそうな涙を拭う。
「……あ、るじっ。俺も呼んで下さい‥」
「んぁ‥はせべぇ…」
長谷部君も、いつ横からちゃんを取られるか解らない状態だ、不安だったんだよね。
僕達きっと皆同じ気持ちの筈だ。