第84章 ジャックダニエル
でも、そのうちこっちを向いてくれるよね。はぐっと歯を立てると、白く細い背中にまた歯形が赤く残る。
良いね、一期さんの気持ちも解るな。
右側の肩甲骨の下をべろりと舐めて、ちゅっと吸えば赤い印が付く。
「ふふ、僕の印。」
消えなければいいのにね。そう思いながら、ふにふにと遊んでいた両胸の先をきゅっと摘まむ。
「んんっ‥!」
口を塞がれてる時のこの鳴き声、そそるんだよね。
「っ……は、あるじ?俺と舌を絡めたせいですか?そいつに弄ばれたからですか?‥こんなにも濡らしてどうしました?」
口を離した長谷部君が、ちゃんから抜いた指を目の前で開いて見せる。
「ふふ、ちゃん、良くなっちゃったの?」
ぬらぬらと光る指に銀の糸が引く。