第10章 天空闘技場
フランクリンの耳たぶはどうやら生まれつきらしい。てっきり、その長い耳たぶで敵を攻撃するものだと思っていたが……見当違いだったようだ。
「あ、いや…その……すまないな。攻撃はまだ出来ないんだ」
落ち込む私を見て、アタフタとするフランクリン。私があげたお菓子を食うか?と渡してきた。
「…………それ…チョコ味の方が美味しいんだよ。食べてみて」
ショックが思いの外大きかった私は、フランクリンにそう勧めた。フランクリンはぽいっとそれを口に入れた。
「ん…美味いなこれ」
ボリボリと軽快な音を立ててるフランクリン。
「でしょ!!あとね、これとこれを組み合わせると………」
「ん………!?ソーダ味か!?!?」
あわよくば見せてもらおうと思っていた耳たぶ攻撃が見られず落ち込んでいた私だったが、すぐに立ち直ったのだった。
「…フランクリン、楽しそうだな」
「ほらあいつ、いつもだったら子供に泣かれるからさ」
「あの巨体と人相で、意外にも子供好きだったんだな」