第10章 天空闘技場
「………おい、お前見られてるぞ」
「指じゃないカ?」
私はヒソカから逃れようと、体をしきりに動かした。しかし、ヒソカはがっちりホールドしており、それは動く度にきつくなっていく。暴れるな…そう言いたいのだろう。
「ヒソカ、私あっちに行きたい」
ならば仕方が無い。私はむくれながら、自由だったら既に向かっているだろう場所を指す。
「了解♡」
ヒソカは私を器用にそちらへと連れていく。私は向かっていく最中、ドキドキが止まらなかった。こんなに興奮したのは、第一次試験会場以来だ。
「来たな」
「来たネ」
「………」
私は、一般の人より体が倍の大きさで、顔に傷がある人の前に来た。
「あ、あの………その…」
最初に目が止まった時、私はこの世にこんなに…………耳たぶが長い動物がいるのかと思った。座っているから二足歩行だと思う。しかし、言葉は通じるのか…そうだ!!通じなかったらお菓子を……そう思って、さっき買ってもらったお菓子を取り出した。
「……………俺に何の用だ」
「喋った!?!?ヒソカ!!ヒソカ!! 喋ったよ!!!!!!」
「そうだね♡彼、人間だし」
話が通じるなら話が早い。私は親交の印にお菓子を渡し、名前を聞いた。
「…フ、フランクリンだ」
「私アルミ。よろしくお願いします。あの、その耳たぶって、武器ですか!!」
その後、部屋中が大爆笑に包まれた。