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フォンダン・ショコラ【ハイキュー!!】

第2章 この腕の中の君 ※【黒尾鉄朗 続編】



あれこれ目移りしながら服を手にとる。
そしたら、すごく好みのものを見つけた。


「ねぇ、ユメちゃんこういうの好きかなぁ?」


お出かけに良さそうなセットアップ。
ピンクとブラウンが重なった、チュールスカート。
トップスはシンプルな黒で、襟元に小さなリボンが三つ付いている。

「ああ、こういうヒラヒラした服好きみたいです」

「色違いもあるね。ほら」

もうひとつは、ミントグリーンにブラウンのスカート。
チョコミントみたいでこっちも可愛い。

「うーん…チョコミントか、いちごチョコか…」

色違いの二つを見比べて真剣に考えてる。

「あいつ普段青とか着るっけ…?覚えてねぇなぁ…」

一人ぶつぶつ言いながら悩んでるのは、何だか微笑ましい。

「ピンクはよく着てる?」

「あー…確かこの前もピンクのTシャツ着てたかな」

「じゃあ、ピンク好きなんじゃない?」

「そっか…そうですね」

優くんはミントグリーンの方を元あった場所へ戻すと、改めてピンクを手に取った。

「ほんと可愛がってるんだね。ユメちゃんのこと」

「え?はい、いや…、はい…」

「照れなくていいのに」

「いつもの仕返しですか?」

「全然?」

少し恥ずかしそうに髪の毛に手をやって、優くんはムスッとした顔を作る。
もう一度選んだ服に目をやると、レジの方へ体を向けた。

「じゃあ、こっちにします」

「うん」

一緒に選んだ服をラッピングしてもらって、無事プレゼント選びは終了。



「喜んでくれるといいね」

「きっと気に入ると思います。付き合ってくれてありがとうございました」

「ううん。私も楽しかった」

エレベーターを下って、私たちはモール内から外へ出る。
ここ数日は、日中でもだいぶ涼しい。
空は高いし、夏場の嫌な湿っぽさも気にならなくなってきた。
もう秋だな…そよぐ風も心地いい。


これから一人でどうしようか。
ふとそんなことを考えていたら、優くんに肩をつつかれた。


「梨央さん。良かったら、なんですけど」

「え?」

「公園で弁当食べませんか?」

「…お弁当?」

「はい。作ってきたんで」

そう言って、優くんは持っていたバッグを指差した。


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