第11章 裏で動いた恋模様
‐みつside‐
姉ちゃんを、好き放題扱った奴等が、私の復讐対象になった理由は、1年程前に遡る。
その頃の私は新婚で、早い内に子どもを、なんて考えていた時期だった。
ネットで、夫が動画を見付けてきたのだ。
明らかに、無理矢理だと分かる行為を強制された姉ちゃんの動画だった。
それを見た夫は、それを台本のある作成されたものだと思い込み。
大人しい姉ちゃんが、そんなものに出演する筈はないだろうと、私をそっち系の女優だと疑い。
離婚を突き付けられた。
後から知った話。
実はその頃、夫は会社の新入社員に目を付けて、ただ私と離婚をしたかっただけなのだけど。
新婚早々の大事件に、私は正気を失って。
何も知らず、慰謝料も取れぬまま、離婚に至った。
実家に戻って失意の底にいた私を、救ってくれたのがケージくん。
父のお気に入りで、たまにウチの実家に来ていた彼は、私と元夫の離婚理由を知って復讐計画を持ち掛けてきたのだ。
その時の私にとって恨むべきは夫じゃなくて、姉ちゃんのそんな動画を流した奴等で。
何かの目的を持って動いていないと気が狂いそうだったのもあって。
私は、その計画に乗ってしまった。
真実を知った後も、戻る事は出来なくて、駒として動き続けている。
「…で、次は…この辺を一気に叩こうと思ってるんだけど。出来るよね?」
昔の事を思い出していた中で、声が聞こえて我に返った。